カルタゴ!

 昨日は仙台市博物館で開催されている「古代カルタゴとローマ展」に行ってまいりました。日本で、しかも地元でカルタゴ展がみられるなんて、本当に素晴らしいことです。なんたってこの展覧会のために本まで買って予習するほど楽しみにしてました。
 カルタゴは古代の海洋民族フェニキア人によって建設され紀元前800年?頃〜前140年頃まで北アフリカチュニジアに栄えた都市国家です。西地中海で比類ない繁栄を誇っていましたが、当時の新興国である共和制時代のローマとの三次に渡るポエニ戦争に破れ、街は完全に破壊され大地には塩をまかれ荒野となりました。しかしその後、100年程経ち帝政ローマの時代になってから再び再建され北アフリカにおけるローマの主要都市として再びの繁栄を得ることになりました。
 今回はローマにより滅ぼされる以前のポエニ時代のカルタゴの遺物に加えて、帝政ローマ時代の遺物も多数展示されておりました。僕としては古代地中海世界の品々をまとめてみたのは初めてだったので、とても楽しめました。まずは入ってすぐにある軍船用の人工港の模型によってカルタゴの文明度の高さが一目で理解できます。軍船を格納するドックが200個も整然と放射状に並んでいたという港湾設備はもはや近代的と呼びたくなるような物です。他にも古代カルタゴのガラス工芸や装飾品とローマ時代のモザイクが数多く展示されておりとても楽しめます。装飾品はギリシアやエジプトの影響を受けつつも独特なデザイン感覚(なんだかかわいい感じの小物が多い)で作られていて面白いですし、それをみることで、いかに古代カルタゴが繁栄していたかという一端を知ることができます。またローマ時代のモザイクもとても大きなものが多数展示されておりとても見応えのある物でした。地中海だけに様々な海洋生物や頭からカニのハサミが生えている海の神オケアノスがユーモラス(?)に描かれたモザイクなど面白い物でした。
 いやー。「ローマ人の物語」を読んで以来、前々から気になっていたカルタゴの品々を沢山見ることができて大満足でした。この展覧会はお勧めですよ。これから日本各地を巡回するみたいですから、お近くに来た時は是非どうぞ。

公式サイト:http://www.karutago-roma.jp/top.html