仙台はもはや寒い。原付に乗るには上着が必要だ。
 進化学会。今回はシンポよりもポスターの方が面白かったような気がする。僕の研究に近いところとしては、東大の藤本仰一さんの節足動物の前後軸の体節形成時にみられるストライプ状の遺伝子発現パターンを生み出す遺伝子ネットワークの研究が面白い。ストライプ状の遺伝子発現パターンを生み出す遺伝子ネットワークの研究ならば他にもあるけれど、面白いのは3つの異なる体節形成プロセスに着眼したことだ。節足動物の体節形成にはプロセスの異なる3通りあることが知られているのだけど(長胚、中胚、短胚)、それぞれの様式はどのようなネットワーク構造によって生じるのかを調べたところ、長胚型と短胚型のパターンを生み出すためには特定のネットワーク構造(特定の構造のループ)が必要であるとのこと。ほほう。
 今後は短胚型から長胚型への進化がどのように起こったのかを調べるそうな。短胚型から長胚型への進化は発生進化の中でも大きなtransitionだと考えられているものだ(参考)。短胚型から長胚型の進化で面白いのは、ストライプパターンを作るという意味では同様であるにも関わらず、それを作り出すメカニズムが変化しているという点だろう。つまりストライプパターンそのものにかかる自然選択ではない他の要因に対する自然選択の結果であると考えられる(かもしれない)。そこで最初に思い浮かぶのは発生にかかる時間だろう、長胚型の方が素早くストライプを形成できるので、発生速度を速めるような選択の下では長胚型が進化するかもしれない。あとは体節数を変化させるような選択がかかった場合もあるかな?ようわからんけど。
 具体的なモデル系があるとなんだかワクワク感が高まる気がするなぁ。ふーむ。