博士の愛した数式

永遠の真実は目には見えないのだよ。(手を胸に添えて)ここにしかない。

 穏やかで美しい映画でした。映画の中で出てきた「友愛数」や「完全数」あるいは「オイラーの公式」などの美しさは学校でその意味を教えられただけでは、きっと特別美しいとは感じなかったと思います。物事の魅力が人に伝わるかどうかということは、結局のところ、それを伝える話し手自身がその事に魅力を感じているか、ということにかかっているのだと、映画を観ながらしみじみと感じました。感覚的なものは感覚的にしか伝わらないということでしょうか。そういえば映画の中でも、「星や草木の美しさを伝えることが難しいように、数学の美しさを伝えるのは難しい」という主旨のことを言っていたなぁ(うろ覚えですが)。