The Origins of Genome Architecture

The Origins of Genome Architecture
著:Michael Lynch
今日、先生から借りた本。パラパラとめくってみたところ、良さそうな感じがする。何たって、著者の Michael Lynch は僕の文献データベースの中の常連さんの一人ですから。分子進化はDNAやアミノ酸配列レベルでの変化を扱うのが主だと思うのだけど、この本は、DNA配列の置換や欠失・挿入だけではなく、遺伝子重複や染色体構成や転移因子などによるゲノム構造の進化として生物進化を理解することを目的としている。しかし、対象は真核生物が中心で原核生物は扱われていないようだ。
 最近はゲノム学が盛んですが、進化生物学をちゃんとやっている研究者がこのような本を書いてくれるとありがたいですな。僕自身も遺伝子重複を研究で扱っているので、ゲノム進化のダイナミクスは前々から気になっていたところです。とりあえず関係ありそうなところをコピーしておきますか。
 しかし、原核生物が扱われていないのは少し残念ですね。ゲノム進化はゲノムサイズの小さい原核生物の方がよく調べられているように思うし、それに僕のモデルも微生物に近いのです。昔は多細胞の発生に興味があったけど、微生物学の本なんかを読んでみると、単細胞もかなり面白いと最近わかってきました。